雑々3_春を呼ぶポーズ ― 2012年03月11日
朝シフォン ― 2012年03月12日
真夜中に焼いたシフォンを
朝一でいただく
これ最高です
道具3_ハタガネ讃歌 ― 2012年03月13日
さて、この道具を何と説明しようか?
地味で…
使うところが限られていて…
乱暴に扱われて…
いつもどっかしら錆びていて…
…ああ…だめだ…なんだか気が重くなってきた
でも、私はこの道具が好きだ。カッコがいいとか、使い勝手がいいとか、そんな次元のことではなくて、なんか存在そのものが好きというか、「ハタガネ」という名前にも惹かれる。
そもそも、この道具をなんで「ハタガネ」というんだろう。 英語風にいうとクランプということになると思うが、私にはこのハタガネという響きがたまらない。
それにしても、つくづく地味な道具だと思う。鋭く切断するような刃も持たず、華麗に溝を切るビットがあるわけでもない。ただただ締めるのみ。複数の部材を締めて圧着させる、それだけである。具体的にいうと、板をはぐ(幅の狭い板を張り合わせて広い板をつくる)、箱物やイスを組み上げるときに要所を締めて圧着させる、など。どちらかというと、部材をギュウギュウと拘束し、一見、いじめているようにも見える。例えば、チェストを組み上げたとき最終的なチェストの形は見えてくるわけだが、その周りを何本ものハタガネが、寄ってたかって締め上げている…初めて見る人はあまり良い印象をもたないかもしれない。
でも違う、彼らは悪者じゃない。
彼らは、たとえば、美しい蝶が生まれる前のサナギの殻に似ている。しっかりとした家具を作り上げるための殻。彼らは何もしゃべらず、その仕事を黙々とこなす。カンナの刃なら、切れなくなると「研げ!研げ!」と騒いで仕事をしなくなる。鋸の刃なら、へそを曲げて使い手の意図とは別の方向に行こうとする。でも、ハタガネの彼らは、ただ黙々と仕事をするのみ。そして、家具を家具たる形に仕上げてくれる。
と、ハタガネ讃歌はそれくらいにして……このハタガネ、実際に使ってるときは水浸しになることが多い。締めた部材同士の接合部分から木工ボンドがはみ出すので水バケで洗うのである。そのために濡れて錆びるわけだが、冬になって仕事が暇なときなどは、暖かい薪ストーブの前で、そのサビ落としをする。今、うちの工房には60本程あるので結構一日がかりの仕事になるが、その間、過去一年間の仕事を振り返ったりするよい時間となる。そして、錆でザラザラになっていたハタガネの肌がツルツルになると、何とも言えない満足感を覚える。と同時に、この道具、大切な自分の味方という気持ちがさらに強くなる。ありがとう、ハタガネたち!
写真/ハタガネでサイドテーブルを組む
ボトム用 ― 2012年03月14日
勝手にチーズ ― 2012年03月14日
肩入れ ― 2012年03月15日
チーケの相棒 ― 2012年03月16日
コーヒー焙煎中
やっぱりチーズケーキにはコーヒー
切り離せません
まだ食っちゃダメ
レアチーズケーキへの道 3.5日目
1日目
http://dosyakuzure.asablo.jp/blog/2012/03/14/6374634
2日目
http://dosyakuzure.asablo.jp/blog/2012/03/14/6375058
3日目
http://dosyakuzure.asablo.jp/blog/2012/03/15/6376864
食ってよし‥と ― 2012年03月16日
型入れしてから15時間
大体これくらいから美味くなる
いただきます
レアチーズケーキへの道 4日目
1日目
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2日目
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3日目
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3.5日目
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道具4_手鋸は難し ― 2012年03月17日
なんだこの野郎フニャフニャしやがって!! と怒ってはいけない。 真っすぐ挽けないのは貴方のせい、というか、相当訓練していなければ真っすぐ挽けなくて当たり前。実は、木工の手工具の中で「鋸」が一番難しい。
普通、木工機械や電動工具・手工具を問わず、真っすぐ切ったり、平らに削ったりすることを容易にするための仕掛けがついている。それがいわゆる「定盤」だが、その形はさまざま。たとえば電動工具の丸鋸は、真っ平らな定盤の真ん中から回転する丸い刃が出ていて切り口が直角、あるいは、任意の角度で切れるようになっている。さらにその定盤の両側も刃と平行になっているので、そこに真っすぐな定規を沿わせれば難なく材料を真っすぐにカットできる。
カンナだってそうだ。2つの定盤の間から刃が出ていて、その定盤を材料に押し付けて移動させることで平らな面を削ることができる。2つの定盤のレベルをわずかにずらすことによって削る厚みだって調整することができる。
その他、手工具のノミだって… 一見、刃と握りだけの道具のように見えるが、実は刃の裏が真っ平らな定盤になっている。
という具合で、刃のついたほとんどの工具の刃の周りには、真っ平らな面や真っ直ぐな直線があり、そこがその工具の定盤だと思えばほぼ間違いない。そして、この定盤を意識しながら道具を使うことによってより正確な加工が可能となる。昨今、誰でも長い修業をしなくても木工や家具職人ぽっくなれるのは、とくに電動工具についているこの定盤の進化のおかげである。
一方、手工具の鋸となるとちょっと勝手が違ってくる。定盤がないというわけではないのだ。というより、鋸の身(薄い胴体全体)自体が定盤なのである。厄介なのはこの定盤がフニャフニャしてるということである。そして、使い手は、このフニャフニャを制御して真っ直ぐな定盤にする術を身に付けていなければならないということ。鋸が難しいのはこのためである。それじゃ、もっと厚くして固くすれば…なんて言わないで。手鋸の身はあの薄さだから堅い木が切れる。厚くちゃとてもとても…。 また、確かに鋸身の背に真っ直ぐで固い金具を付けたものもある。でも、それだと、深さが決まってしまう。固くすれば、何かしら支障が出たり、用途が決まってしまうのだ。
ところで、お前はどうなんだって聞かれたら…正直逃げ出したい… 一応、弁解を聞いてくれますか? …だってェ、電動丸鋸や昇降盤で事が足りちゃって、手鋸使う機会なんてほとんど無いんだもの…上達しろって言う方が無理っすよ。
写真/手鋸の身を曲げる